水野 雄氏 (みずの ゆうじ)

存在感増す「細野豪志」「有村治子」両名

存在感増す「細野豪志」「有村治子」両名

高市早苗首相が自民党総裁に選出されてから、2026年10月4日時点で1年が経過した。高市首相はその翌日5日に、衆議院本会議場で初の臨時国会を開催し、所信表明演説を行った。そこでは「経世済民」という耳慣れない熟語を掲げ、強い経済の実現に意欲を示した。すでに前月の9月17日に内閣改造を行い、第2次高市改造内閣を発足させていた。その布陣には派閥力学や当選回数の考慮より、これまでの「日本列島を、強く豊かに」の看板政策を目指す本気度を実感させた。首相自身が事前に全議員にアンケート調査を行い、詳細まで精読し、臨時閣議で閣僚の辞表を取りまとめた後、閣僚名簿を発表して即スタートをきった。従来の新聞・雑誌・テレビ等はオールドメディアという言葉で語られることが定着し、時には「政権おろし」狙いの偏向報道も少なくはない。だからとは言えないが、大臣就任早々にメディアの標的となった簗和生農林水産大臣は政権の足元を強烈に揺さぶった。ただこの改造内閣に限っては、事前に高市首相から“漏れたらとりやめ”と通告されており、ポストを内示された議員から漏れることはなかったはず。今日では関心のある情報はインターネット・SNS『YouTubeやX(旧ツイッター)等』の検索で大半をキャッチすることができる。多くの議員も自分に関する情報の収集に励んでいたようだ。筆者が改造内閣で特に注目しているのが、細野豪志氏(衆院議員)と有村治子氏(参院議員)の両名だ。まず細野氏だが、野党(民主党等々.)から自民党に移籍した経歴を持ち、今回は復興・防災担当大臣に就任した。細野氏は野党時代に「福島第1原発担当の環境大臣」経験があり、事前のアンケート調査には防災庁が設置された場合のポストを希望していた。早々に閣内入りが実現した形だが、5年前の2021年に自民党へ移籍したばかりであり、閣内入りまでは誰一人として予想もしていなかったはずだ。だから改造内閣の記念撮影で、高市首相の隣に呼び込まれて並んだ際の本人の表情からも驚いた様子が見て取れた。今回の人事で注目すべきもう一人は、新しく予算委員長に任ぜられた有村治子氏だ。有村氏は党三役の自民党総務会長を歴任し、石破茂前総理が辞任するきっかけとなった衆参両院議員総会の進行役も務めていた。多くの人々が注目する中で、公平に総会を仕切り、石破氏に「退任のとどめをさした」ことで存在感を示した。これまでの彼女のネット配信情報からも見て取れたのは、対立する議員からの執拗な質疑にも、納得感のある応答をきちんとしていた点だ。だから改造内閣での閣僚就任を期待する声も多かったが、結果は有村氏の希望通り、これまで政権運営の足かせとなっていた参議院での予算委員会という論戦の場におけるしきり役である予算委員長に落ち着いた。参院のドンといわれた石井準一氏(前参院幹事長)が解任させられた直後に、参院予算委員会に抜擢された有村氏。注目を浴びる舞台に舞台において、委員長としていかなる質疑に対してもきちんと応答してきた力量を生かし、さらに存在感を高めて欲しいものだ。その他にも政権の下支えにより存在感を増している片山さつき財務相・大臣・小泉進次郎防衛相といった留任組や、新人閣僚、そして、閣外放出された林芳正前総務相の動き等もあるが、ここでは誌面の制約もあり割愛させていただくこととする。

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