「トランプ効果」で米中両国の好感度に変化
筆者は日米関係が第一で、アメリカに対する好感度は重要との認識がある。高市早苗首相は支持率が低下傾向にはあるものの、飾らない本音トーク“高市話法”で踏ん張りを見せている。国外に目を向けてみると、とりわけ世界を席巻するアメリカ・中国の両国トップも、国内外で影響力を堅持すべきと、やはり踏ん張っている。そこで、米中の現状と対外影響力、今後の米中関係を予測してみたい。トランプ米大統領(80歳)、習近平中国国家主席(73歳)の現時点での影響力とその行方だ。両名はともに6月生まれで、しかもトランプ氏14日、習氏15日の一日の違いであることを知った。本題だが、二大超大国間の世界的な影響力争いが激化する中、世界各国の多くの国で、人々はアメリカよりも中国を好意的にみているようだ。アメリカの調査会社「ビュー・リサーチ・センター」が7月に実施した「2026年グローバル意識調査」の結果は、調査対象36カ国中の25カ国で、中国に好意的な回答者の割合がアメリカを上回った。それは同調査の約20年間の歴史で初めてとのことだったようだ。この変化は「中国のイメージ向上よりは、アメリカに対する評価の悪化が決定的」と総括している。アメリカの威信低下は全調査国の平均でも、トランプ氏による国際問題への対応を「信頼する」と答えたのはわずか23%だった。次に130カ国以上をカバーするギャラップ社の「2030年の超大国」に関するアンケート調査だが、25年1月に行われた結果ではアメリカは1位、中国は2位と挙げられたが、本年26年の結果では中国のイメージと未来性に関する各国の評価は相次いでアメリカを上回った。アメリカのリーダーシップに対する世界の承認率の中央値は31%だったのに対し、中国は36%という結果で、同調査の歴史でも最も大きかったようだ。アメリカへの好感度は多数の関係各国においても前年比2桁の下落を記録しており、22カ国では習近平国家主席への信頼がトランプ大統領への信頼を上回った。この変化を「中国のイメージ向上もあるが、特にアメリカに対する評価の悪化が決定的だ」と総括している。トランプ氏の口調は非常にストレートで、他者の見解に「ナンセンス」と一蹴する場面があったり、軽蔑のニュアンスさえ感じさせたりする印象も多いからだろう。これらの報告書から、アメリカに対する世界的な認識が近年着実に低下しているのが見えるが、今年に入ってからの好感度低下はより顕著だ。対照的に中国に対する好感度の中央値は、同時期に38%から46%に大幅に上昇している。ちなみに、日本の中国に対する好感度は世界の最低の11 %であった。中国の評価がアップし、アメリカの評価がダウンする国際的傾向はここ数年顕著になっている背景の一つに、トランプ氏が各国に課した報復関税もあろう。これによりアメリカの国際的な好感度は急落する一方で、これまで不評だった中国は急上昇し、初めてアメリカを上回ることとなった。トランプ氏が常に、「アメリカを再び偉大にしよう」と叫んではいるが、彼の貿易政策は実際には「中国を再び偉大にしている」という側面もある。ただ、習氏が権力の一極集中に尽力する中、不動産不況や内需不足による景気低迷という国内事情が続いているのも現実である。
