政治家エピソード連載(二階俊博)

­政治家エピソード連載の第9回目となる今回は、現在の安倍長期政権の運営の最大の担い手である二階俊博幹事長である。パーティ等ではお目にかかっているが、最後に直接お話しをしたのは、日本政治総合研究所の白鳥令理事長(東海大学教授)主催の「政治問題研究会」でゲスト講話をされ、会場を出られる際に、参加していた私が会場からエレベータまでご一緒した時だった。「先生、旭化成の水野です。覚えていただいていますか‥?」とお声がけすると、「オゥ、知っとる、知っとる!」とご返事をいただき、立ち話をさせていただいた2016年10月のことだったと思う。実は前年5月開催の同会でも、メディア関係の参加者などとご一緒に、二階さんの「政局所感」もお聴きしていた。昔は小沢一郎氏の側近だった時期もあったので、正直に言えば、私には若干のネガティブイメージが残っていた。しかし、今では日本国のために「真の政治仕事師」として尽力されている。“小沢さん”で思い出したので、恐縮だが、話が一旦小沢一郎さんに飛ぶことをお許しいただきたい。実は有名企業の総務・秘書担当責任者などの一行が小沢さんと一緒に蓼科で過ごしたことがあった。もう30年近くも前の昔のことだ。私も含めて6~8名だったかと思うが、前半には当時の小沢さんの?ゴルフコースでハーフ(2組いたのでそれぞれに)だけ一緒に回り、その後で小沢さんの別荘で食事もご馳走になったことがあった。名前は失念したが、その頃の秘書のお一人が小沢さんの“ご意向”を踏まえ献身的に私たちのお世話をされていた。ほぼ一日を小沢さんと身近で過ごしたので、“実像?”をも垣間見た感じの貴重な体験だった。影響力があった時代は「人事とお金を掌握することが大事」であり、その後も「自分の言うことに従う者だけが残れ」との強面の姿勢だったので、これまで多くの政治家が小沢さんから離反していった。二階さんも“小沢離れ”をした後は、ご自身が身を置いてこられた数々の各政権内における“名仕事師”ぶりを発揮されてきた。最近でもその名残りは見られ、国会における野党の数々の“パフォーマンス追及”に対しても「だから何‥」というスタンスだ。これまでの年季と実績(つまり実力)で、いまさら格好をつける必要もなく、例えば国会における答弁で、二階さんに「それがどうした‥」との姿勢で淡々と答弁されてしまえば、質問者は二の句が告げない状況だ。対中国での外交面では、古くから“親中派”の権化的な存在感を示してこられ、事例として思い出されるのは、2015年に習近平国家主席に安倍首相の特使として親書を渡されたことだ。かつて経産大臣や運輸大臣をされたこともあり、経済界との連携も上手くとられ、日本経済への影響力もあった。

※この連載では(第1回)中曽根康弘・中曽根弘文、(第2回)山崎拓・伊吹文明、(第3回)小渕優子・松島みどり、(第4回)麻生太郎・梶山弘志、(第5回)岸田文雄・石破茂、(第6回)甘利明・山口那津男、(第7回)加藤勝信・江藤拓、(第8回)鈴木宗男、(第9回)二階俊博の各先生は掲載済。以後は順不同であるが、太田昭宏、与謝野馨、加藤紘一、中川秀直、額賀福志郎、丹羽雄哉、石原伸晃、棚橋泰文、金子一義、高市早苗、石田真敏、逢沢一郎、山本有二、山本幸三、野田毅、盛山正仁、福田康夫の各先生を予定。