「バイデン」と面識がある岸田文雄氏

2020年11月のアメリカ大統領選挙は、現職の共和党トランプ大統領を破った民主党バイデン新大統領の就任で決着した。全米を挙げての興奮の高まりは、我国との選挙制度の違いを実感させられた。20年9月に誕生した菅義偉現政権は、総選挙の洗礼を受けておらず、本来であれば暫定政権というべきかも知れない。一般国民から待望されて政権トップの座についたわけではなく、総裁候補の本命でもなかった。突然の安倍晋三前首相の辞意表明での後任選びの結果だ。止む無しの3候補だけが争う構図になり、異例の高支持率で当時の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の両名を破ったのも、総理不在という異常事態回避に向けたメディア報道で注目を浴びたことによる一面もあった。219月までの安倍前総理の残任期が前提となっていたし、衆議院議員の任期も1021日までで残り1年という巡り合わせもあった。総理になる準備をしていた訳ではなかったが、次第に「自民党総裁選で選出されトップに立った以上は、独自カラーを示したい」という意欲にかられ、矢継ぎ早に政策を打ち出し、今では本格政権への設計図を描き始めているとの憶測も出始めている。しかし“真の民意”を反映した結果によるものではなく、“コロナ禍”という課題はあるが、前述したように、10月までには必ず行う必要がある総選挙(決定権は菅総理にあるが、コロナや政策実行状況を見ながら、恐らく衆院解散は年明け1月の通常国会冒頭か令和3年度の予算策定を通過させた後の4月中と巷間囁かれている)で勝利を収め、選挙後の自民党内の総裁選で晴れて再選され、総裁を変える必要がないとの証明ができれば良いのだが、審判次第ではより望ましい人物を登場させる必要がある。表向きは順調な立ち上がりを見せている一方、実際の政権運営ぶりは、日本国のトップとしては衆院本会議での答弁能力等に疑問符がつきつつある。発足からわずか1ケ月で、政権発足時の異常なほどの高支持率(大手各紙は60%以上)は下降線を辿っている。実際の政権運営ぶりでも豪腕は見せるものの、力不足が露呈し、評価は減点される一方。政治は国内だけでなく、他国との関係(外交面)も重要だ。世界中が“コロナ禍”という国難にある状況では、自国のことで精一杯で余り問題にされないが、“国民の信を問う”選挙を経ていない現状では、他国から認知されないし、国民の「日本人としての誇り」も許さない。議院内閣制(任期満了か議会解散により議員全員を解散)を採用している以上、我国の解散権という“伝家の宝刀”を有する総理は、やはり早々のタイミングで総選挙に踏み切る決断をすべきだろう。永田町の関心は、政権基盤がぜい弱な現政権から、衆議院解散総選挙の時期に移りつつある。そして本題の望ましい次期総裁としては、総裁選での躓きはあったが、すべての政策に長け、外交面でも数度にわたる外務大臣経験により他国にも顔が利く(既にバイデン次期大統領とも面識がある)岸田文雄前政調会長の再挑戦か、もしくは体調も戻り精力的に動き出した安倍元総理の復活(再々登板)もあり得るのでは、というのが各方面からの内部情報を得ている筆者の一見解だ。※本論は月刊誌「リベラルタイム」2021年1月号に「匠の視点(第9回)」としても掲載。