| 精神的支柱を失い危機に直面する「創価学会・公明党」 |
本来ならば、公明党とその支持母体である創価学会を併記することは好ましくないかも知れない。しかし、今回のテーマに関しては、ご理解を頂くこととする。振り返れば、国家権力が宗教団体に圧力をかけてはならないという「信教の自由」の原則があり、SNSでは旧統一教会問題で「宗教アレルギー」、「政教分離」がトレンドワードに上がったこともある。ただ、本執筆はそれらの問題とは直接的な関係はない。本題に鑑みれば、2025年10月10日、公明党の斉藤鉄夫代表が「党のイメージを履さないといけない」との理由をあげ、26年間という長きにわたって継続してきた自公連立から離脱したことだ。石破茂前政権は期待された毅然とした政権運営ができず、約1年間の短命政権に終わった。10月4日に自民党総裁選挙が開催され、石破前首相の後任として選出されたのは保守色が濃いとされる高市早苗氏だった。高市首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱した安倍晋三元首相の後継者と認知され、自身も「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」との主張を発信。就任直後のFNN世論調査(11月1・2日実施)では支持率が82%と超高水準を記録。メディア他社の調査でも高支持率だった。高市氏個人の人気だけでなく、政治理念が異なる公明党との縁切りも相乗効果となったようだ。選挙区によっては、自公の選挙協力に期待できないことで残念がる議員もいるが、自民党が組織票欲しさに公明党を利用してきたと考える者の多くが連立解消に納得しているようだ。公明党幹部には「親中派」が多く、今回の離脱は呉江浩駐日中国大使の意向に沿ったものだった。公明党との離縁で、少数与党となった自民党だが、例えば大阪では公明の“天敵”日本維新の会が閣外協力する流れができた。高市首相の肝いり政策によるスタートダッシュで、注目されていた外交面ではマレーシアでのASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議から、トランプ米大統領、李在明(イ・ジュミョン)韓国大統領、習近平中国国家主席各国首脳らと会談を実現し、順調な船出となった。対する公明党は支持母体である創価学会の会員数が減りつつある。また、会員の高齢化も進み、選挙支援活動もままならない現実に直面し、議員の数も減っている。このような局面での政権離脱で、これまで公明党議員が占めてきた「国土交通大臣ポスト」も喪失した。また、高市政権では二人の女性大臣が就任したが、そのうちの一人である小野田紀美・経済安全保障担当大臣は、7月に開催された第27回参議院選における岡山選挙区で、「公明党の支持はいりません」と発言した上で圧勝している。一方、同参院選では公明党の結果はふるわず、比例票は521万票で、第26回参院選よりも100万票少なく、最多だった第20回参院選の862万票から4割減となり、目標の700万票の8割も取れなかった。18年ぶりに参院選選挙区の候補が落選し、議席は改選14から8と過去最少となった。同党は24年10月の衆院選と25年6月の都議選でも敗北したが、都議選では公明党本部があるお膝下の新宿区、そして公明党の生みの親である創価学会の元会長・池田大作氏の生誕の地の大田区での敗北だった。池田名誉会長は創価学会の最高指導者として組織拡大を図り、政治に関しても1964年に公明党を創設したが、2023年11月に逝去(享年95)された。池田氏という精神的支柱を喪失したことも影響が大きいのだろう。
