いよいよ菅政権の初衆院選が始まる

最近の報道番組や人々の話題の中心はコロナ禍や感染拡大の行方についてであり、実際にも国民の関心はそこにある。例えば、大都市の「東京・大阪では第4波がもう来ている?」や、全国各地の感染状況や逼迫している医療施設の現場の模様等々。政府も、3度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言をすることになった。ただ、政権トップの菅義偉首相や政界関係者(永田町)の間では、コロナ禍の中でも、衆院議員の任期満了は半年後の10月21日であり、また菅義偉首相が安倍晋三前首相から引き継いだ自民党総裁任期の切れる9月末以降の続投に意欲を示しているので、総裁選前の衆院解散・総選挙を念頭に置いていると思われる。そして、今般の二階俊博幹事長の総理渡米出発の出鼻をくじく行動(“内閣不信任案を出せば解散選挙”で応酬すると野党を牽制した)は、例の如く釈明のコメントは出してはみたものの、菅氏に影響力を与えてきた現職幹事長が、(自分こそが)選挙の時期を模索していることをにおわせた発言となった。すでに82歳となるが、菅氏と距離をとりつつある一方で、自分の求心力の維持や影響力を誇示したかったものと周囲では受け止めている。また、やはり渡米前に、現職総理がわざわざ出向いて安倍前総理と面談したのも、バイデン大統領との首脳会談のアドバイスだけではなく、総選挙の時期等の相談もしたのでは‥と一部では受け止められている。菅さんの事情としても、「安倍前総理を見事に補佐した官房長官」との評価は受けてはいたが、首相としては国民の審判を一度も仰いでいない。自身も含めた初の国政選挙で、その真価を問うことになる。国会質疑での答弁能力の欠如や外交不得手などと言われていたので、それを挽回・カバーする為にバイデン氏との直接会談を希望していた。コロナ禍の中、わざわざ渡米までして(弱いとされた)外交で評価を高めようと、かねてから外務省に根廻しを“強く”要求してきた。そして、電話会議ではなく、やっと正式に対面での首脳会談の日程が定まったタイミングで、身内(長男や実弟)の醜聞などもメディアによって炙り出されたり、同時に党内の「菅降ろし」の動きも察知することに‥。これらの懸念材料を払拭する為にも、早期選挙がベターと判断した理由の一つかも知れない。首相に近い党幹部が「首相は自分の手で解散したいのだろう」と語っているとの情報もある。問題はその解散・総選挙の時期だ。就任当初は高かった内閣支持率も低迷し(現在では支持・不支持がほぼトントン)、これ以上下がれば、党内が紛糾しかねない。読売新聞の最新の世論調査では、6割の国民が菅政権に嫌気が差している、ということのようでもある。総理は大義もないまま、独断で「パフォーマンス解散」はできても、衆院選の結果が振るわなければ責任を問われ、続投を阻まれる恐れも否定できない。選挙を先延ばししたい野党は、「コロナの収束が見えない現状では総選挙などできるはずがない」と高を括っている素振りだけはみせている。いずれにしても、現政権にとっては「早期解散・総選挙」が有利とみられ、場合によっては諸説あるが、早いと7月4日と言われている。公明党・創価学会幹部も、都議選との「W選挙」を念頭に、6月中の衆院解散、「7月4日W選挙」を想定して協議を始めたようだ。例えば、都議選の定数は127名で、各党の議席は、都民ファーストが46(前回6、但し前回当選者数は55名だが既に9名が離党)、自民25(同57)、公明23(同22)、共産18(同17)、立憲民主6(同0)などであった。都議会の公明党は、常に都政の政権与党的な立場で、ここ数回でも、当選者数は概ね21~22名で推移している。今回も「7月W選挙」であれば、最低議席数の20は確保できるのでは、との読みのようだ。菅氏は何が何でも五輪開催を前提にしてはいるが、コロナ環境的には「五輪中止?」もあり得る状況だ。その場合は、「五輪を無事終えてから」という従来の方針を修正することにはなるが、もはや“捨て身の心境”もあり、「7月4日衆院選もあり」と考えることになるのでは‥。