東京五輪開催に更なる逆風?森会長発言問題

コロナ禍の今後の展開が見通せないこともあり、一部では五輪開催の可否も云々され始めていた。そのような状況の中、大会組織委(JOC)の森喜朗会長(83歳)の「女性蔑視」とも受け取れる発言(202012月)が発端となり、森さんに対する批判的な声が上がっている。さらには二階俊博幹事長(81歳)の“火消し発言”も裏目に出た格好となり、国内はもとより、海外からも注目され始めた。菅義偉首相は、急がれる新型コロナウイルス対応という優先課題もあって、“発言する立場ではない”的な距離感のある発言をし、解決の糸口が見いだせない状況。森さんは首相経験もあり、競技大会組織委員会会長として今日まで相当に尽力もしてきた。しかし、20212月の自身の不適切発言(上述)への謝罪会見の際に、一部報道陣の“誘導尋問”を遮ったり、「面白おかしくしたいから聞いているんだろ」と声を荒げ、逆切れ場面をさらす羽目になった。更には、その女性に対する差別的な発言が、「日本の常識はやはり世界の常識と異なる」との印象を国内外に発信することになってしまった。開幕まで半年を切った五輪の組織トップの失言は、結果として大会への逆風が強まる中、開催地の小池百合子都知事の記者会見での、当初予定されていた「4者会談欠席」表明の態度(ここぞとばかりのいつものアッピール)が、五輪中止の助走にならなければ‥との心配を与えた。また、“森会長発言”への抗議態度を示すために白い洋服を着て登院する野党議員(パフォーマンスの一面もあったようだが…)もいた。確かに「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現」であったと筆者も感じたし、一部では「森さん、二階さんの“老害”」と捉える人もあり、マスコミ報道や今日のSNS情報の影響からか、メディア数社のアンケート結果では、このタイミングでの役職辞任(議員辞職は不要)を求める声が多数を占めた。勿論、中には擁護する人たちもいるが、大会スポンサー数社からの非難声明や、一番注目すべきは海外メディア(米ニューヨークタイムズや英ブルームバーグ通信等)の開催に対する悲観的な報道だ。その結果、IOC(国際オリンピック委員会)自体も当初の森発言への擁護的な発言から非難発言に切り替えた点がある。このまま開催国のトップである菅さんが傍観者的な態度を続けるのであれば、自民党内部からも批判が出始めていることもあり、政局に発展してしまう恐れさえある。万一そうなれば、もう国民にも知れ渡っている菅首相の誕生“秘話”(首相就任への有権者の支持の有無も未確認のまま、マスコミ報道と二階幹事長の誘いに乗っただけ)もあり、任期等の関係から遅くても今秋には必ずある解散総選挙を一時も早く行い、「国民の信を問う」必要があろう。そのような状況でもあるので、新年度予算成立後の4月選挙へと展開するのでは。そうでなければ、(少し飛躍するが)日本の外交や防衛が立ち行かないままとなり、中国・ロシア・北朝鮮などを利することになる。従って、国益を考えた場合、解散総選挙の流れができることもやむを得ないのでは‥。とにもかくにも、五輪開催の有無に関わるので、冒頭の森会長の続投問題は早晩決着して欲しいものだ。ただ、本日(2月11日)会長ご自身が「元々、会長職には未練はなかった」と辞任の意向を示したとの情報が入ったので、今後の展開を見守ることにしたい。