日本の民意は「悪化する日韓関係」改善の必要性を感じていない

今の日本には嫌韓感情が渦巻いている。もはや韓国が唱えてきた「未来志向」という言葉も過去のものとなった。これまで韓国は事あるごとに日本の歴史的問題を取り上げて批判してきたが、今や日本側の胸の内は「もはや韓国がどう思おうがご随意に」との思いである。それほど日韓関係の現状は厳しく、取り返しがつかないところまできた。それは数字でも表れ、6月10日発表の韓国日報と読売新聞の共同世論調査では、両国の8割が「日韓関係が悪い」と評価している。特に文在寅(ムン・ジェイン)現大統領の対日外交の姿勢は、多くの日本人の対韓不信感を醸成している。今年は「日本の植民地支配に対する朝鮮独立運動(三・一運動)勃発100周年にあたり、韓国国民の気持ちの高まりがあることも一因」と弁明する韓国人もいる。しかし、一部の確信的な反日活動家の動向は言うに及ばず、昨年から今年にかけての文政権の日本に対する相次ぐ否定的な動きに対しては、もはや日本に“韓国無視”といった空気さえ生まれつつあることを指摘しておきたい。背景としては、まずは、日本に向けて弾道ミサイルの発射を繰返した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と、文氏が一年程前に南北軍事境界線のある板門店で会談をしたことが挙げられる。その後も南北首脳会談を続けたが、(もともと北朝鮮からの避難民の息子であった文氏であるし、同じ民族が歩み寄ること自体には道義的には否定すべきでない点もあるが)会談時における文氏の満足気な表情や態度には違和感があった。さらに、日本の対韓不信感情の勢いを増すこととなった問題は、昨年10月の日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁の判決である。すなわち、戦時中に旧日本軍売春宿で強制的に働かされた慰安婦と呼ばれる韓国女性たちに補償と謝罪を求めた決定である。このことは、日韓間の請求権は「完全かつ最終的に解決された」と記された日韓基本条約の調印で日韓国交正常化を成立させた「(いわゆる)2015年協定をも破棄する決断を下した」ことになる。それにも拘わらず、国家代表の文氏が、本当の国益を考慮することなく、“頬被り”したことである。これらの事象が前哨戦としてあったところに、昨年12月の韓国海軍艦艇が日本海をパトロール中の日本の海上自衛隊航空機に射撃統制用レーダーを向けた事件が発生した。このことは、単に両政府間の対立感情をより深刻なものにしただけでなく、韓国と日本に駐屯するアメリカ軍事司令部も、中国も視野にいれた大局的な視点で、「この地域の安全保障協調に与える影響を懸念している」と伝えている。ただ、「従北」で知られ、在任2年になったばかりの革新政権に対し、歴史的な長期政権となりつつある安倍晋三政権が韓国にとっている“馬耳東風”のスタンスには何故かうなずける。以上は日韓関係の現状に警鐘を鳴らす意味はなく、ただ両国民の現状理解のご参考になればと本文をしたためた次第である。