政治家エピソード連載(中川秀直)

5月25日の安倍首相の「緊急事態宣言」全面解除の記者会見で、やっと方向性も見え始めたが、これまで“コロナウィルス禍”で約一ヶ月半外出もままならない状況が続いていた。そのような中で、私が読み返していたものの一つに、手元に保管していた平成24年10月1日付の“シュウチョクさん”(当時の親しい方からそう呼ばれていた)の引退表明の挨拶文があった。当時の秘書から私宛にファックスされた中川秀直衆議院議員からのメッセージで、地元広島県の選挙支部と後援会の合同役員会で「次期衆院選への不出馬と代議士引退を決意した」ことを表明したので、明日記者会見するという内容だ。慶応大学法学部卒、日経新聞政治部キャップを経て、その後政界入りをし、自民党の内閣官房長官・政調会長・幹事長をはじめ、その他数々の要職を歴任した大物。そのような方に、私は何かと懇意にしていただいた。お酒を飲みながら政財界の“内実”や先生自身の持論等を拝聴する機会も得てきた。もうかなり以前の話にはなるが、大手自動車メーカーの役員向け接待施設を利用しての懇談会に、私は恐らく最低5回以上?は出席してきた。上述の会社の総務担当役員(当時)の方が幹事役で、大手企業数社の総務担当役員・総務部長等が中川さんを囲み、料理を食べながら懇談するお座敷の会合であった。「自民党の長老支配・派閥支配を回避すべく大胆な世代交代を進めていくべき」「国際環境も、日本経済も、財政も、株価も、安倍(第一次)政権当時が21世紀で最も良かったが、持続できなかった…」などと主張されていた。個人的にも、NUNOE(布絵)作家だった家内の個展(銀座「文芸春秋画廊」にて2011年開催時)に来ていただき、終了後の関係者慰労会では乾杯の音頭までとっていただくなど、本当にお世話になった。 “シュウチョクさん”は、ある不祥事が表面化したこともあり、衆議院議員を10期務めて退任し、(本意ではなく結果として)地盤を次男の中川俊直さん(衆議院議員2期)が引き継ぐ形となってしまった。近況としては、昨年2019年12月にホテルニューオータニで「地球・ヒト・未来」をテーマに講演などもされており、私は講演をお聴きすることはできなかったが、お元気なご様子で安堵している。

※この連載では(第1回)中曽根康弘・中曽根弘文、(第2回)山崎拓・伊吹文明、(第3回)小渕優子・松島みどり、(第4回)麻生太郎・梶山弘志、(第5回)岸田文雄・石破茂、(第6回)甘利明・山口那津男、(第7回)加藤勝信・江藤拓、(第8回)鈴木宗男、(第9回)二階俊博、(第10回)福田康夫、(第11回)野田毅、(第12回)中川秀直の各先生は掲載済。以後は順不同であるが、太田昭宏、与謝野馨、加藤紘一、額賀福志郎、丹羽雄哉、石原伸晃、棚橋泰文、金子一義、高市早苗、石田真敏、逢沢一郎、山本有二、山本幸三、盛山正仁の各先生を予定。