「次期首相世論調査」で同率トップの「高市・小泉」

「次期首相世論調査」で同率トップの「高市・小泉」

前回の「匠の視点」では「3連敗しても容易ではない『石破おろし』」とのタイトルで論述し、最後に、石破茂首相の党内基盤が不安定であるがゆえに、首相の進退問題は当面続いていくことになろうと締めくくった。しかし、2025年9月7日、石破茂首相が辞任の意向を固めたとNHKや共同通信等が報じた。突然の一報に衝撃が走ったが、石破首相としては、閣内を含む自民党所属国会議員や地方組織に総裁選前倒し要求が拡散したため、政権運営が行き詰まると判断した模様だ。総裁選前倒しか否かが決定する予定だった9月8日の前日7日に、石破氏は会見を開き「苦渋の決断です」と辞任の意向を表明した。石破氏にとっては、ある種、自民党内の権力闘争に屈する形となった「苦渋の決断」だったようだ。会見で石破氏は悔しさをにじませ、「まだやり遂げるべきことがある」と述べ、ギリギリまで続投の意思を示しながら、本意ではない判断を下した。石破氏は会見で、“政治とカネ”問題を「最大の心残り」とし、それらの課題は後任の「新総裁に託す」とした。辞任意向の発表時での記者会見で、石破氏は「(任期中に総裁が欠けた場合の臨時)総裁選には自分は出ない」と発言し、今後の政権運営は後任に任せるとした。「総裁の任にあらず」と評価されていた石破氏は、やはり1年足らずで任期を果たすことなく辞任した。話題はポスト石破が決まる10月4日投開票の臨時総裁選へと移った。「石破おろし」をきっかけに勃発するかのように見えた総裁争いだが、多くの議員達は党内分裂を避け、自分と意思疎通ができ、信頼できる次なる総裁の登場を目指すために奔走中だ。会見の翌日9月8日に保守派からの支持が厚く、“女性初の首相”への期待がある高市早苗・前経済安全保障担当相がまず立候補の意向を固めた。続いて茂木敏充・前自民党幹事長、林芳正・内閣官報長官が続いた。小泉進次郎農林水産相はルックスもよく、自民党の世代交代の象徴として期待を集めるが、討論番組等での発言に稚拙さが出てしまう等、党内をまとめ現在の国会を乗り切れるかの不安も付きまとう。そして、“次々回”総裁候補と目される小林鷹之・元経済安保相も“後出しじゃんけん”的に出馬を表明した。テレビ朝日系の9月8日の報道番組では、ポスト石破の動向を報じていたが、生出演していた政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、「新総裁に求められるものは、『選挙での強さ』『野党との連携』『保守層の取り戻し』『“政治とカネ”の払拭』であり、選挙での強さはやっぱり高市さん、小泉さんというところ…。」としていた。なお、石破氏が退陣を表明する直前の9月6.7日両日に実施した『JNN』の世論調査では、「ポスト石破」にふさわしい議員として高市・小泉両氏は19.3%の同率でトップになったと報じていた。昨今の自民党の退潮は、従来の支持層が同党から離れ始めていることを示しているようだ。裏金問題・旧統一教会の問題等で、「失われた30年」のツケが一挙に出た形だ。このような状況でも、党内をまとめ上げていく力のある議員も見当らず、自民党という政党が限界を迎えつつあるのかもしれない。今回開催される臨時総裁選は、国会議員に加えて全国の党員・党友も投票する正規の「フルスペック」方式で行われるが、果たして。