10年前の悪夢は「民主党政権の誕生」だった
月刊誌「THEMIS(テーミス)」の直近10月号の巻頭言「大喝」の内容は、全く同感でとても
要点をついている。同誌の発行人・編集者のご了解はいただいてはいないが、余りにも
素晴らしいので「完全コピー」して掲載させていただくことにした。
(※但し、見出しのみ著者が変更)
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安倍晋三首相が「悪夢のような‥」と呼んだ民主党政権が誕生したのが10年前である。
先の国会で、岡田克也氏が首相に撤回しろと迫ったが首相は一蹴した。大半の国民は同じ考えだと
思う。その証拠が、安倍第二次政権以来、自民党は国政選挙で勝ち続けているし、立憲民主党も
国民民主党も支持率は一ケタで低迷している。実施できない政策を掲げるが、遂行能力を欠く野党
に国政は任せられないと思っているのだ。民主党が大勝して鳩山由紀夫内閣が誕生したときの国民
の期待は大きかった。それは大東亜戦争直前に近衛文麿首相が誕生したときと似ている。五摂家出身
の公爵にして長身白晢の貴公子に、国民は支那事変の終結も対米交渉の成功も任せて大丈夫と歓迎
したのだ。結果は優柔不断で決断できないことに加え、不用意な発言などで退陣してしまった。
鳩山氏も政治記者は「21世紀の政治リーダーは?」という問いに、ダントツで氏を推薦していたものだ。
祖父は首相、父は大蔵(当時)次官から外相という政治一家の御曹司だった。しかし氏は失政を重ねた
末に野たれ死にした。最大のミスは沖縄・普天間基地問題を迷走させ、日米間にひびを入らせたことだ。
安全保障問題に無知だったことを後に本人が告白している始末だ。いま鳩山氏は中国や韓国で祖国を
貶(おとし)める土下座を繰り返し国民を呆れさせている。次の菅直人氏も高揚感で暴走したが、外国
からの不正献金が発覚して退陣寸前に追い込まれた。そこへ東日本大震災である。「これで延命できる」
と興奮した揚げ句、独断拙速な対応で退陣に追い込まれた。3代目は野田佳彦氏だったが、彼らは財源の
裏付けもない公約を実行できず、国民に見放されてしまった。10年目を迎えて、枝野幸男氏と玉木雄一郎
氏が「反省の弁」を述べていたが、政権奪取への意欲は全く感じられなかった。いま、立憲と民主は国会
で共同会派を組むというが、基本政策である安全保障と憲法改正で大きな隔たりがある。それを棚上げ
した会派結成など単なる野合でしかない。2人のトップも両党も過去の失敗から何も学んでいない。
自民党も大きなことはいえなかった。安倍第一次、福田康夫、麻生太郎と続いた世襲の御曹司による
政権は失政と醜態で崩壊した。ただ安倍氏は、過去を反省し政策を錬磨して政権を奪取し今日に至って
いる。野党は国民が真の成長を望んでいることを肝に銘じるべきだ。
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