始まった「自分ファースト」小池東京都知事

始まった「自分ファースト」小池東京都知事

2023年1月13日、東京都の小池百合子知事は「18歳以下の子ども1人当たりに月5000円を給付するなどの少子化対策事業を進めることを決めた」ことを発表し、定例会見で注目を浴びた。岸田首相は異次元の少子化対策を表明していたので、「国の方も取り組むと言っているが、スピード感をもって、国民に『刺さる』政策を…」などと注文をつけたからだ。東京都は前日12日に、子育て関連施策として23年度当初予算案に総額1・6兆円(前年度から約2000億円増額)盛り込むことを発表した。“またまた”このタイミングで国よりも早い(国が遅すぎる)とアピールした。来年7月予定の都知事選挙を意識しているのか、支持率低迷続きの岸田政権後の国政参加も意識しているのか本意は判らないが、筆者として想起されたのがかつて小池氏について触れた次の原稿だった。ご参考までに再掲載することとした。

(2021年3月執筆した記事の原文のまま)今回は全く個人的な呟きを特筆してみたい。テーマの主人公とした小池百合子氏は、女性活躍社会が求められる状況下で、その候補者の一人として政界等に対しても影響力があり、都民の中には支持者も多い。ただ、その「自分ファースト」の自己顕示欲のパフォーマンス的発信(メディア活用の巧みさ)は、今でも続いており、政治家・メディア関係者の間では、誰もが承知している。筆者も20202月での本欄オピニオンで取り上げ、彼女の“本質”を執筆している。ある雑誌に、「コロナ禍さえ自己PRの道具」という表現で、政局ゲームに絡んでいると書かれている。最近の報道で表面化した213月の「首都圏での緊急事態宣言再延長」対応での黒岩祐治神奈川県知事との関係悪化、そして以前から表面化している菅義偉首相との対峙関係も続いている。結果として、一番優先されるべき国民・都民への思いは“二の次”。近々発表されるであろう東京五輪の行方も、開催都市のトップが未だに(314日時点)後出しジャンケンをするつもりのようで、決定した時点で、どのようなコメントをするのか本当に興味深い。かつて、彼女を題材にした「女帝」(石井妙子著)というタイトル本の中でも、彼女の本性(例えば、関西学院大学社会学部中退からエジプトのカイロ大学を優秀な成績で卒業としていたが、実際には1年留年し、5年かかっての卒業だった)や素顔が描かれている。その他にも、「権力に憑かれた女」「仮面」「『小池劇場』が日本を滅ぼす」等々、印象の良くないタイトルの本が並ぶ。もともと5つの政党を遍歴し、「政界渡り鳥」と揶揄されたこともあり、その時々の権力者に近づくなど、身の処し方に長けていた。衆議院議員時代には、2008年の自民党総裁選に出馬し、5人中3位、12年の総選挙で自民党が野党から政権復帰すると、再び総裁を目指したが、防衛大臣を最後に大臣職にも就けず、結果として16年に都知事選に立候補する流れとなった。その都知事選での公約「築地市場の移転延期」問題でも、巨額の損害を生じさせた。その他の数々の公約(7つの「ゼロ」)も未達で、関心さえない様子。メディアの中には、これまでの言動と食い違いが感じられた時でも、それらを検証することもせず、また「すり替え」と気づかないメディア記者もいるようだ。恐らく、この程度の事柄を並べ立ててみても仕方がないことかも知れないので、この辺りで独り言は止めとしますが‥。」