「国会」は表舞台ではなく国民第一の「議論の場」

「国会」は表舞台ではなく国民第一の「議論の場」

2023年3月、参院予算委員会における「政治的公平」を巡る問題が連日のメディア報道で注目され、にわかに国会内でも俎上(そじょう)に上がり、国会審議は迷走した。元総務省出身で立憲民主党小西洋之氏(参院議員)が、たまたま入手したという総務省作成の文書を手に、高市早苗経済安保担当相を国会中継の場で執拗に追及したからだ。小西氏が問題視したのは、155月当時の安倍晋三政権下で総務相をしていた高市氏が、放送法4条「放送事業者は番組編集の際には政治的公平を遵守すべきとの準則」が規定する判断基準に関する解釈に実質的に修正を加える答弁をした、という点だ。政治的公平の新解釈が示されてから8年も経っている上、小西氏の追及姿勢は異例といえるほど執拗で、国会中継録画を見る限りでは、当時の事実関係や経緯も不明のまま、高市氏とのやり取りの言葉尻をとらえ、政治問題化した感があった。そのため、小西氏が結果的に高市潰しを目論む左派系メディアに加担したことにもなった。その一方、国会では従来予定の重要な決議事案が集中審議されずじまいで承認となり、国民の血税で運営されている国会機能をも阻害した。総務省の調査では、当時の高市氏と安倍首相が放送法の解釈を巡って電話で協議したとする問題文書は「作成者不明」「確認されず」と説明される等、文書の真偽にも疑問が深まった。高市氏は「(内容が)捏造だ」と明言し、事実無根と主張したものの、当該文書の真贋(しんがん)論争に発展し、「濡れ衣」を着せられそうになった。一連の報道でのやり取りしか知らない国民は、総務省内部の極秘文書を1国会議員がやすやすと手に入れられる管理体制や、官僚の事務処理力に不審を抱くことにもなり、「国家公務員法違反の疑い」を指摘する声も上がった。高市氏は本件に関する『産経新聞』の取材に応じ、「日時不明で私が安倍首相と(放送法の解釈について)会話したと書いてあるが、私の電話を誰かが盗聴でもしているのか。驚くべき内容だ」と語っている。さらに、小西氏は衆院憲法審査会を巡るサル発言等でも問題を起こし、人間性が問われることとなった。困惑した立憲・泉健太代表は331日の定例会見で小西氏の同党での役職を更迭すると発表した。話は変わるが、筆者はかつて高市氏と接点があった。最初にお会いし、話をしたのは094月まで遡る。私が当時役員をしていた日韓経済協会が主催する日韓経済人会議を韓国・ソウルで開催された時のことだった。会議終了後に韓国国際展示場を見学した際に、高市氏も当時の麻生太郎内閣の経済産業副相として視察に来ていた。当時の李明博(イ・ミョンパク)韓国第17代大統領が会場に訪れ、日本の代表団数名に順次挨拶をしていた折、筆者の番が回ってきた時に韓国のテレビ局が狙い撃ちしたかのように撮影し、驚いたことに私と大統領との接見の模様がテレビで放映された(筆者が代表を務める匠総合研究所のホームページにその時の画像を掲載)。高市氏とは会場視察の後は別行動となったが、その後も日本経済団体連合会の会合等で挨拶することはあり、いつも自信に満ちた雰囲気であった。日本の女性初の首相候補の一人ともいわれているが、それが実現する日も訪れるかもしれない。※本欄は月刊誌「リベラルタイム」20236月号「匠の視点」第38回としても掲載。